Interview

今回は、高砂にある“restaurante del mar(リストランテ デルマール)” ホールスタッフの、みとさんにお話を聞いてきました!

  • みとさん
  • Taberiiインタビュアー

本日はよろしくお願いします!

よろしくお願いします!

早速ですが、まず、お店の名前の由来を教えていただけますか?

そうですね・・実はデルマール(del mar)は私たちが付けた名前じゃないんです。もともと中洲で始めたときのオーナーさんが付けた名前なんです。

そうなんですね。「デルマール」ってどんな意味なんですか?

「デルマール」って、イタリア語じゃなくてスペイン語で「海」なんです。当時は地中海系のレストランみたいなイメージでスタートしていたみたいです。

へぇ、スペイン語なんですね。

そうなんです。でも、今もこの名前を使っている理由はあって、最初のオーナーさんが1年で辞めて、村上シェフがオーナーシェフになりました。 その時点で通ってくださるお客さんがいたので店名もそのまま引き継いだかたちですね。
中洲から高砂に移るときも、決まるのがすごく急で。4月の頭に決まって、5月末に閉めて、6月からこっちでやる、みたいなスピード感だったんですよ。

えっ、そんなに急だったんですか。

はい。だからこそ、名前を残しておかないと「中洲にあったデルマールがここに来たんだ」って、お客さんに伝わりづらい。
常連さんやリピーターのお客さんたちに分かってもらうために、名前を残しました。

もともと中洲で営業されていて、今は高砂ですよね。場所を変えようと思ったきっかけは何ですか?

中洲で8年ほど続けてきましたけど、お店の規模やスタイルを、この先どう続けていくかを考えていました。
中洲のときは30席くらいあって、常にフル稼働しないと成り立たない状態でしたし、食材やワイン、光熱費とかも含めて、このままの形で続けるより、もっと自分たちらしいサイズにしようとなって閉めました。

それで高砂に移られたんですね。

そうです。この場所で「てすたまった」っていう深夜帯に紹介制のお店を、一昨年の夏にオープンしていたんです。
夜中の0時から4時まで、4時間だけ稼働するお店だったんで、空き時間がかなりあったんですよね。
なので、今はランチとディナーをデルマールでやって、夜中に「てすたまった」をやっています。

場所が変わられて、お客様も引き続き来られていますか?お客様の層も変わりましたか?

中洲の頃から来てくださっているお客さんもいますが、今は新しく来てくださる方のほうが多いですね。特にランチは、ほとんどが初めてのお客さんです。

移転をきっかけに、コンセプトも変えられたんですか?

変わりましたね。シェフは10年間イタリアのピエモンテ州でトラットリアにいて、そこで学んだ「マンマ(お母さん)の味」をそのまま出せるお店をやりたいという想いがありました。
手打ちパスタを必ず出したり、北イタリアの家庭で日常的に食べられているような料理ですね。中洲の時は、トマトパスタとかピザとか、アクアパッツァ、カルパッチョとか、イタリアンとして分かりやすいメニューが多かったんです。
ピエモンテで学んだ家庭料理に、シフトした感じですね。

それは、この場所だからできる形だったんですか?

そうですね。もともといずれやりたい気持ちはあったけれど、ここでやる予定はなかったんです。でも中洲を閉めるってなったときに、この場所ならできる、となって。夢をちょっと早めに叶えた形ですね。
30席の店では、お客さんに合わせて手打ちパスタを打つとか、焼きたてのフォカッチャを出すとか、なかなか難しいので、ここだからこそできるサービスですね。

たしかに、実際に利用してみると、すごく温かみがあって、家庭的な感じが伝わってきます。

ありがとうございます。
本当に素朴な味というか、素材の味を大事にしています。感覚としては、ちょっと和食に近いところもあるかもしれないですね。出汁の感じとか。
薄味で、毎日食べても飽きない、毎日食べたくなるイタリアン。それがコンセプトなので、これはもう、今のこのサイズじゃないとできないです。

手打ちパスタは、高砂に来てから始められたんですか?

そうです。ピエモンテ州のマンマのお店も、絶対に手打ちなんですよ。イタリアって、北は手打ちパスタ、南は乾麺っていう文化があって。スパゲッティは南の文化なんですね。

へぇ、そうなんですね。

シェフはピエモンテで丸10年修業して、23歳で行って33歳で帰ってきました。

10年…長いですね。

もう住み込みみたいな生活で、寝食を共にして。料理だけじゃなくて、生活全部を一緒にしていたみたいです。
洗濯の仕方とか、部屋の片付けとか、「ちゃんとできてない!」って、イタリアのマンマに怒られる(笑)。
日本のお母さんより怒られたって言っていました。

それは、もう本当の家族ですね。

本当の家族です。
だからうちは、名刺の裏に系列店を書くときも、「ファミリア」って書いています。ファミリーっていう意味ですね。
今は店舗としては2拠点ですけど、スタッフのことも、家族のように大切にする関係性を意識しています。

村上シェフは、ずっと飲食の世界にいらっしゃったんですか?

そうです。ずっと飲食で、ずっとイタリアンですね。
中村調理製菓専門学校を出て、その後ずっとイタリアンです。

修行に行かれたのは、「自分のお店をやろうと思ったから」だったんですか?

いや、違うと思います。本場を知りたかったからですね。
本場のイタリア料理を知るうえで、料理だけじゃなくて、生活とか、風土とか、空気感とか。そういう生活の部分を知りたかったんだと思います。
だから何年も向こうで過ごして、5年、6年、7年と経っていくうちに、「今日ちょっとジメジメしてるから、これが食べたいよな」っていう感覚が、イタリアの人たちと自然と一緒になってきたみたいで。
一緒に住んでいたマンマが「ちょうどこれ食べたいと思っとったんよ」って言ったときに、「俺、イタリア人になれたと思った」って言っていました(笑)。

料理の技だけじゃなくて、感覚からイタリアンを感じに行った、ということですよね。

そうです。「イタリアっていうもの」を知りたかった。

もともと日本でもイタリア料理店にいらっしゃったんですか?

はい、ずっとイタリアンです。結構老舗の有名なお店にいたみたいですけど、「そこで3年働いたら、イタリアのお店を紹介してあげる」っていう条件で入ったらしいんですよね。
そこで紹介されたのがピエモンテの「トラットリア・ボローニャ」。そこを気に入って、そのまま10年。
残り2年は、向こうでもシェフを務めていたぐらいなので。

日々お店をやる中で、一番大切にされていることはなんですか?

お店全体で言うと、うちは100%「料理ファースト」です。
お店づくりって、雰囲気だったり、スタッフだったり、料理、サービス、いろいろ要素はあると思うんですけど、うちは100%料理ファースト。
さっきも言ったように、イタリアのマンマが作る、「毎日食べたくなるイタリアン」。その家庭料理をベースに、すべて作っています。
気負わずに、料理そのものを楽しんでもらえるように、空間やサービスもあたたかさを大切にしていますし、ワインも料理に合うものだけを選んでいます。
うちは村上シェフの店なので、彼のつくる料理が、いつも主役です。

なるほど。お料理が中心なんですね。
向こう(イタリア)での生活で得られた感覚を大切にしたお料理、ということですよね。

そうです。季節に合わせたり、「今日はこういう日だから、寒いからこうしよう」とか。
特にディナーですね。ディナーのコースは、全くメニューが決まってなくて。
毎日スーパーに行ったり、仕入れでもらったものを見て、「今日はこういう感じだから、温かいスープから始めようか」とか、「今日はこういう魚が入ったから、カルパッチョ入れようか」とか。
シェフが作っているのを見て、お客さんに説明します。
だから、たまにお客さんと喋ってて間に合わなくて、「ごめん、この魚なに?」みたいなのも、よくあります(笑)。
本当に、その日その日。「今日は寒いから温かいのを食べたいよね」とか、「今日は暑くて食欲出ないかもしれないから、食欲が出る料理から始めようか」とか。
お母さんって、今日は暑いからそうめんぐらいしか食べきらんやろうねって思ってそうめん作るけど、そうめんだけじゃ栄養取れないから、きゅうりのせたり、トマトのせたりして冷やし中華風にしたり、逆にスムージーみたいなの作ってみたりするじゃないですか。
あの感覚です。私たちは「お母さん」で、来てくださるお客さんの状態に合わせて料理を提供しています。

あたたかいお店ですね。それが毎日来たくなるっていうことですよね。

そうです。旬の美味しい料理があるのはもちろんだけど、その日の体調とか、何回も来てくださるお客さんだと好みも分かるから、
「この人が来るけん、今日はこれにしようか」とか、「このワイン好きやけん、これに合わせてこっちに変えようか」とか。
そういうのは毎回やりますね。
今日何組いるから全部同じですとかは、うちはないです。それぞれのお客さんに合わせます。

みとさん、いつも一人一人に話しかけてらっしゃいますよね。
それって心がけていらっしゃるんですか?それとも自然とですか?

もう長くやっていると、自然に近いですね。でも、ランチは逆に、あんまり喋らないようにしています。喋りすぎると迷惑かなと思って。
お昼の時間って、みんな1時間って決まっていて、その中で色々しなくちゃいけないことがあるじゃないですか。ご飯食べて、休憩して、トイレ行って、次の準備をして。
銀行に行かなくちゃいけない人もいる。
そんな中で喋っちゃうと、その方の行動を止めてしまうこともあるんですよね。「付き合わなきゃ」ってなる方もいるから。
だからよく見定めながら、コミュニケーションを取っています。
でも、うちに来たときは、その人にとって一番居心地のいい時間であってほしい。
それはランチでもディナーでもそうかなと思います。

もちろん、シェフの想いやお料理が根幹だと思うんですけど、みとさんの接客も、お店に欠かせないものだと思いました。

彼がいなければ、そもそも始まらないです。
でも、できあがったものを良い時間にしていくのは、ホールの仕事かなと思っています(笑)。
料理があって、お店があって、それをどう届けるか、どう過ごしてもらうか。
そこは役割分担ですね。
こういう関係性って、どこでもできるわけじゃないと思うんです。
お互いが目指しているものをちゃんと分かっているからこそ、ここでは私も自由にやらせてもらえているし、その自由さがあるから、お客さんにも気持ちよく過ごしてもらえる。
あとはもう、1あるものを、2に、3にしていく。
そういう感覚ですね。

素晴らしいですね!
初めて来た方に、まず食べてほしい一皿はなんですか?

ランチだったら、カレーですね。
「なんでパスタじゃないの?」って聞かれそうですけど(笑)。
でもカレーを食べてもらえたら、私たちの言う「毎日食べたくなるイタリアン」の意味が分かると思う。カレーは「食べるミネストローネ」って呼ばれるイタリア本場のスープをベースに作っているカレーなんです。
とにかくしっかり煮込んだ野菜のブイヨンと、日本らしい「家庭のルー」を使って作っていますね。
優しいけど、私たちは給食カレーみたいな感じですって言っていて、味はしっかりあるけど、すごく優しくて素朴で、胃にもたれなくて。
それが、うちらしさを表していると思う。
もちろんパスタも美味しいんですけど、まずはカレーから食べてほしいかな。
カレーを食べて、気に入ってくれたら次はパスタを食べてもらえたらなって。

ありがとうございます。
お客様には、どんなシーンで使ってほしいですか?

ランチは「早くて、うまくて、健康的」っていう3本柱でやっているので、ちょっと時間はないけれど、午後に向けて健康的なもの食べたいなって思ったときに来てくれたらいいなと思います。
夜は、記念日とか、ご夫婦でゆっくりご飯食べたいとき。
1万円からなので、決して安い値段ではないと思うんですけど、「今日は夫婦でゆっくり、美味しいものを食べたいな」っていう時とか。
あとは一人で、自分へのご褒美ディナーとして。
女性一人も全然多いです。もちろん男性一人もいらっしゃいますけど。
でも、来ても私がいるからね(笑)。だいたい女子会みたいになるけど。 ご飯は食べたい。美味しいもの食べたい。
でも誘ってまで行きにくい、みたいなかんじで、正直、1万円超えてくると誘える友達って結構限定的になるじゃないですか。
そのときに「誘う人いないから行けないな」じゃなくて、「あそこやったら一人で行けるわ」って来てもらって、私と喋って。
仕事の愚痴、子育ての話、いろいろ相談会になりますね(笑)。
ワイン飲んで、喋って、ワイワイ意外としています。
中洲の時は会社の接待が多かったんですけど、今はどっちかというと、家庭とかプライベートで来てもらった方が楽しめるんじゃないかなと思います。

いいですね。プライベートなことまで話せるって、相談会みたいになりませんか?

そうですね(笑)。
私が「しゃーない、もうしゃーないわ」みたいな感じなので、みなさん喋りに来てくれます。
夫婦で来たら、男性側にはシェフが味方について、女性側には私が味方になる。
綺麗なルートです(笑)

いいですね。
今後については「こんなお店であり続けたい」というようなイメージはありますか?

そうですね。今のスタイルを守っていけたら、それが一番かなと思います。
今は、ランチ・ディナー・夜中と時間帯ごとに違った常連さんがいて、それぞれの生活スタイルがある中で、いろんな幅の方が自分のタイミングで足を運んでくれています。
もちろんね、ランチのお客さんがディナーや夜中に来てくれるのも嬉しいけど、それぞれ生活スタイルがあるので。
無理に広げるというよりも、それぞれの時間帯で少しずつ輪が広がっていくのが理想ですね。村上シェフがやりたい料理でお客さんが喜んで、少しずつ増えてくれるのが一番嬉しいです。

ありがとうございます。
最後に、Taberiiについて率直にどう思われましたか?

素敵だなと思いました。

ありがとうございます!

基本的にうちは営業の話はあまり受けないんですけど、
Taberiiさんは「普通にお客さんとして来てくれて、食べて、そこから話してくれたので、好きなスタイルでした。
あと、無理に広げようとせずに、ちゃんと着実に、できる範囲からやろうとしている姿がいいなって。
共感でした。
あと、思い出した!福利厚生になるっていうのが、最初のヒットポイントだったかも。

ご存知でした?食の福利厚生って。

食の福利厚生がある会社は知っているけど、毎日の食事補助っていうより、飲み会とか親睦会に補助が出るパターンが多いと思うんですよね。あと、会社にケータリングを週2〜3回呼んで、1食500円とかにして福利厚生にしているところもある。
私は前職では採用担当だったので、企業の福利厚生とかは割と詳しくて。
給料は増えないしね。で、手取りは減るじゃないですか。
その中でやっぱり福利厚生っていうので、差別化していく流れって、ここ10年大きいので。大体その真ん中ぐらいにちょうど社会人になって、会社員でずっと人事やっていたのもあるから、いいなと思いました。
PayPayみたいに使いやすく、自分が好きなお店を選べるのも新しいなと思いました。今の時代に合うなと思いました。一律じゃなくて、個別に選べるけど、ちゃんと福利厚生として成立する。モデルケースとしていいなと思いました。

ありがとうございます!
インタビューは以上になります。本日はありがとうございました。

ありがとうございました。