Interview

今回は、中央区渡辺通にある“酒と蕎麦 まき野”店主の牧野良弘さんにお話を聞いてきました!

  • 牧野 良弘(まきの よしひろ)さん
  • Taberiiインタビュアー

本日はよろしくお願いします!

よろしくお願いします!

それでは早速ですが、まずお店の名前の由来を教えていただけますか? 

お酒、特に日本酒を売りにしたお店にしたかったので、酒が飲める蕎麦屋ということが分かりやすく伝わるように「酒と蕎麦」と名付けました。あとは、初めて自分で出すお店だったので、自分の名前を使いたいという想いもありました。

店名は、すぐに決まったんですか?それとも、いろいろ考えられましたか?

思いついた名前をメモにたくさん書いて考えましたね。どんな候補を書いていたかはもう覚えていないんですけど…妻に見てもらったら、全部ダメ出しされました(笑)。最終的には、分かりやすい名前が一番良いなと思って、シンプルで伝わりやすい名前を選びました。

続いて、お店を始められたきっかけを教えていただけますか?

お店を始める前は雇われて店長をやっていたんですけど、その時に僕の背中を押してくれたのは妻なんですよ。妻から「なんでそんなに美味しいものを作れるのに、自分でお店をやらないの?」と言われたことがきっかけでしたね。もともと自分は、トップではなくナンバー2タイプだと思っていたので、最初から独立したいという想いがあったわけではなかったんです。

奥様の後押しがあったんですね。
飲食のお仕事はいつ頃からされているんですか?

高校1年生の時に焼き鳥屋でアルバイトをして、そこからずっと飲食の世界で働いていますね。高校卒業後、進学はしたんですけど、焼き鳥屋の大将が修行したお店で勉強させてもらえることになって、和食のお店に入りました。出汁のとり方や、ソースの作り方など、料理の基本は全部そのお店で勉強させてもらいました。

もともと、料理をすることがお好きだったんですか?

そうですね。焼き鳥屋では、一品料理はアルバイトが作っていたんです。そこで覚えた料理を、家で晩酌する父にも作ってあげると、「美味しい」と喜んでくれたことが、すごく嬉しかったんですよね。料理が楽しくて、高校3年生の頃には「学校に行ってきます」と家を出て、アルバイトをしていました(笑)。

和食を経験されたことが、蕎麦のお店を始めるきっかけにもつながったのでしょうか?

独立するにあたって、出汁と日本酒を売りにするということは決めていたんです。実は、最初に働いた和食のお店を辞めた理由が、うどん屋をしたかったからなんですよ。なので、最初は「うどんをやろうかな」と考えていました。でも、当時はうどん居酒屋のようなお店がすでに多くあって、「今さらやっても面白くないな」と思ったんです。そこで、出汁と日本酒を活かすなら蕎麦じゃないかと思って、蕎麦屋をやろうと決めました。

そういう経緯だったんですね。
次に、お店をされている中で、こだわりや大切にされていることはありますか?

器やそれを活かすための盛り付け方にはこだわっていて、スタッフにもそこは厳しく伝えていますね。蕎麦に関しては、ほぼ独学でやっています。「もっと良くしたい」という気持ちを常に持って、日々試行錯誤しながら作っています。

蕎麦は独学なんですね!

蕎麦屋さんって、敷居が高いじゃないですか。勉強に行くというのも、なかなか難しかったんです。でも、自分で蕎麦をやると決めてからは、いろいろなお店に食べに行って、たくさん勉強しました。その当時は「蕎麦ってこんな金額なんだ」と感じることも多かったので、自分はもう少し手頃な価格で提供できたら良いなと思っていたんですけど、実際に手打ちで蕎麦を打って、時間をかけて作るようになると「この価格になる理由も分かるな」という気持ちになりましたね。

そうだったんですね。器にこだわられているとのことですが、ご自身で買いに行かれるんですか?

お店をオープンしたときは、たまたま知人から「実家に器がたくさんあるから取りにおいで」と声をかけてもらい、譲っていただいた器を使い始めました。そこから少しずつ自分で買い足していって、お店を続けているうちに、たまたま器の作家さんがお客さんで来てくださるようになったんです。そこからご縁ができて、今はその作家さんの器を中心に使っていますね。

盛り付け方は特にどのようなことを意識されているのでしょうか?

料理を提供した際に、一番最初に目に入るのは見た目なので、まずは「美味しそう」と感じてもらえることが大切だと思っています。修行していたお店でも、「美しい」と言われることが一番大事だと教わってきたので、見た目の美しさを心がけています。

少し話が変わるのですが、Instagramに蕎麦の生地を手で持った写真を投稿されていますよね。いつも美しいなと思いながら拝見しています。

ありがとうございます。皆さんそうやって言ってくださるんですよ。お店のホームページを作る時にも、制作会社の方から「あの写真はぜひ使いたいです」と言っていただきました。ちょうど後ろの壁とのコントラストがきれいに映るので、蕎麦打ち部屋で撮っているんです。

お店をされている中で、お客さんに言われて嬉しかったことや、印象に残っている出来事などはありますか?

一番印象に残っているのは、独学で蕎麦を始めた頃のことですね。提供した蕎麦がブチブチ切れてしまって、お客さんから「切れてるよ」と言われたことがあったんです。それがすごく悔しくて。当たり前のことなんですけど、「ちゃんとつながった蕎麦を提供しよう」と強く思いました。
それと、蕎麦の打ち方を教えてくださった方から、「お店と共に自分も成長していきなさい」という言葉をいただいたんです。その言葉があったからこそ、今でも「こうでもない、ああでもない」と考えながら、前向きに蕎麦づくりを続けています。自分にとって本当に大きな言葉でしたね。

素敵なお話ですね。

良い蕎麦が打てたときは本当に嬉しいですし、「早く食べてもらいたい」という気持ちになるんです。蕎麦って、同じように打っても毎日顔が違うので、それが楽しいというのもありますね。あとは、たくさんのお客さんが毎日来てくださることが、自分の活力になっています。だからこそ、「飽きられたらダメだな」と思うので、メニューを変えたり、新しいことを考えたりしています。

お話を聞いていると、本当に楽しみながらお店をされているんだなというのがすごく伝わってきます。
続いて、お店の一押しメニューについて教えていただけますか?

一押しのメニューというより、メニュー全体を見ていただくと分かると思うのですが、酒飲みの親父が作っているようなメニュー構成になっているので、お酒がお好きな方には、どの料理もおすすめですね。

初めて来られた方には「これはまず食べてほしい」という一品はありますか?

今ちょうど鴨が入らなくなってしまっていて、メニューから外しているんですが、「鴨わさ」ですね。蕎麦湯で低温のしゃぶしゃぶにした鴨をおろしたてのわさびとポン酢、薬味を添えて召し上がっていただく一品です。 お蕎麦屋さんで鴨を食べると、しっかり火が入っていて、どちらかというと硬めの食感をイメージされる方も多いと思うんですが、うちはその真逆なんです。鴨焼きも、柔らかく仕上がるように塊のまま焼いて、あとは余熱で火を入れていきます。しゃぶしゃぶも低温で火を通しますし、鴨南蛮も一度さっとくぐらせるだけで、あとは温かい出汁にのせて、その余熱で火を入れて、鴨本来の柔らかさを楽しんでいただけるようにしています。今は数に限りがあるので単品ではお出ししていませんが、コースでは提供しています。

美味しそうですね。メニューの内容は定期的に変更されているんですか?

そうですね。季節のものを取り入れていますし、全部ではないですが、毎週1〜2品くらいは、仕入れの状況に合わせて内容を変えています。この間、お客さんが数えたらメニュー数が120種類くらいあったんですよ(笑)。

120種類!すごいですね!

天ぷらなんかも全部単品で頼めるようにしているので、その分メニュー数が多くなっているんですけどね。メニュー表も手書きで書いているんですけど、気づいたらこんなに増えていました。

好きなものを選びながら、お酒と一緒に楽しめるので、どこまでも頼んでしまいそうです。

実は、蕎麦にたどり着かない方も結構いらっしゃいます(笑)。

普段、どのようなお客様がよく来られますか?

どちらかというと、落ち着いた年齢層の方が多いです。落ち着いてお酒を楽しみたい方に来ていただくことが多いですね。お酒を飲んで、好きな料理を食べて、最後は蕎麦で締める。一軒で飲みから締めまで完結できるようなお店になっています。

これからのお店について、挑戦してみたいことや展望はありますか?

石臼が1台増えたので、その石臼をしっかり稼働させて、今はお出ししていない田舎蕎麦を提供したいですね。もっと蕎麦に特化したお店にしていきたいと思っています。

ありがとうございます。 最後に、Taberiiについて率直にどう思われましたか? 

福利厚生としてこういうサービスがあるのはすごく良いことだと思います。ご縁があってこうしてつながっているので、これからもっと広がっていってくれたら嬉しいですね。

ありがとうございます!インタビューは以上になります。本日はありがとうございました。 

ありがとうございました。