Interview
nakuiro-hairo様
インタビュー
今回は、福岡市役所1階にある ”ユニバーサルカフェnakuiro-hairo ” やぐらもんグループ会長の仁泉 浩さんにお話を聞いてきました!
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仁泉 浩(にいずみ ひろし)さん
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Taberiiインタビュアー
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本日はよろしくお願いします。
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よろしくお願いします。
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nakuiro-hairoというお店の響きがすごく印象的だなと思ったのですが、お店のお名前の由来は何ですか?
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“nakuiro”とは鳥のさえずり、海や川のせせらぎ。あとは風の音やそういった耳から感じる音、音色。“hairo”というのは鳥の羽の色、それから葉の色とか、そういった目から見える色という意味です。
また、今回は福岡市役所本庁の1階で、顔の部分となるユニバーサルカフェということなので街があって、そのコンパクトな中に五感で感じることができる豊かな自然まであるユニバーサル都市・福岡のイメージで名前を付けています。
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この名前は、どなたが決められたんですか?
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私です、この意味は後付けですよ。本当はグランフル大名の電話番号「791-6816」からなんですよ。電話番号の語呂合わせで、「なんがあるかなぁ」と考えていたら 、“ナクイロハイロ”になるんで、じゃあ、“nakuirohairo”、“nakuiro”と“hairo”、ちょうどその時グランフル大名の2階にnakuiro-hairoの壁画もお願いしているpokke104さんの公式ギャラリーがあって、pokke104さんの絵は沖縄の自然の絵が基本で、波の絵や自然の山、花、それから動物の絵が多いので、ちょうどpokke104さんの絵の雰囲気と合うんじゃないかと。じゃあこの“nakuiro-hairo”はグランフル大名の電話番号であるけど、そこからインスピレーションを受けて今回は“nakuiro-hairo”でしようか、となりました。
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面白いですね。
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もともとユニバーサルには年齢、性別、国籍、それから障がいの有無に関係なく、誰にでも優しく誰もが優しいという意味合いがあるんですけど、なぜ福岡市がユニバーサル都市なのかというと、街があって、周りに自然環境が整っている、そんな環境に住んで育った福岡市民だからこそ、誰にでも優しく、誰もが優しい街になるんだと、ちょうどぴったりだなと思ったんです。本当は意味が深いんです。
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元々クロッフル専門カフェをされていたということなんですけど、
いろんな事業をされていて飲食業を始めようと思ったきっかけはありますか?
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元々私は中州五丁目で、寿司屋のせがれとして生まれたんですよ。私は板前とか飲食の方に進まなかったんですけど、親戚はほとんど飲食の人なんです。そういったところがまずあって。あと、たまたまですけど、仲良くしていた友人が西中洲でグランメイルという名前で、3、40年近くフレンチのレストランをやっていて、彼がコロナ渦の時に店を畳んで、グランフルという名前に変え、韓国のクロッフルをやると。それを呉服町で始めたんですけど、その時に一緒にグランフルを広げていかないかという話があって、それでうちが大名にフランチャイズ一号店ということで、チェーン展開を広げていこうかということで出店したんです。
うちのやぐらもんという会社は、もともとは介護事業から平成21年に博多の祇園町というところで始まったんですけど、やぐらもんというのは私が介護事業で創業した祇園町の旧町名ですね、ヤグラモン町。矢の倉の門の町って書いて矢倉門町という町名だったんですよ。旧町名から、やぐらもんという名前をつけたんですけど、飲食店みたいな名前なんで「やぐらもんです」と言うと、何の仕事ですかって、炉端焼き屋さんですかとよく聞かれます(笑)
社会事業をメインでやってたんですけど、介護事業、それから障がい者施設含めて、福祉事業って国の決まった制度の中でやる制度事業なので、制度事業だと、我々がやりたいこと、お客様の笑顔を引き出すためにやりたいことというのは、なかなかやっちゃダメですよ、という規制が書かれていることが多いです。なので、我々がやりたいことがやれない中で、継続してやる必要もないなと。介護事業、障がい者事業、福祉事業というのもいろんなところが参入してきて、我々がやらなくても代わりがいるので、じゃあ、我々は会社の経営指針で笑顔をサービスの指標にしているので、その笑顔を求めていくときに違う形で事業に転換していこうかなと。創業から15年になるので、転換期かなというような形で飲食業を始めました。
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そうだったんですね。
先ほど名前の由来の際に、pokke104さんに壁画をお願いしていると仰っていましたよね。 pokke104さんにお願いをされている壁画はどのようなものになる予定なんですか?
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今回ユニバーサルカフェという形なので、世界的に有名なイラストレーターのpokke104さんが見たユニバーサル都市・福岡をカフェの裏側の白い壁一体に描いていただく予定です。右側に博多を、左側に福岡を描いてもらうという形にしているんですよ。
博多は櫛田神社の四季の祭りを全部。山笠や松囃子、節分、夫婦恵比寿で12月になるんですけど、それと秋のおくんちですね。福岡の方は福岡市の鳥や花、木を描いてもらって、福岡らしい福岡城の大手門とか、あとはやっぱり福岡タワーの辺りを上手に入れ込んだ絵を描いてもらっています。それで、ユニバーサル都市・福岡ということが分かるかもしれません。そもそも御存じない市民の方が多いので。「そうなんだ、ユニバーサル都市なんだ」という感じなので、福岡市民の方が、「いや、我々福岡市ってこんなに恵まれているところなんだ」というのをもう一回再認識していただいて、ユニバーサル都市・福岡の市民ということに誇りを持ってもらうということにも役立てられる。なおかつ、観光で福岡市を訪れた方に対するおもてなしの場になると思います。
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それは楽しみですね!
nakuiro-hairoさんのコンセプトは何ですか?
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ユニバーサルカフェは市のカフェなので、福岡市役所にお越しになられる来庁者の方たちにユニバーサル都市・福岡のカフェとして福岡らしいものをご提供するといったコンセプトがあります。ただその飲食スペース、テーブルがある場所、あそこはカフェの一部じゃないんですよ。その場所はあくまでも福岡市民の憩いの場であって、nakuiro-hairoはその前にあるカフェなので、うちのカフェで商品を手に取られてから、憩いの場でくつろぎながらお話ししたり、昼休み休憩を取ったり、カフェの商品を片手に商談されるなど様々なシーンでご利用いただくので、そういった方たちに喜んでいただけるようなものを提供するというのが1番だと思っています。
それと、福岡市役所に3700人お勤めですけど、福岡市役所の食堂がもう無くなってるからね、今、弁当を食べていたりするんですけど。その方たち含む天神1丁目が、ビッグバンで工事中というのもあって、イムズやコアにあった食堂が今、無いじゃないですか。ランチ難民、結構多いんですよ。そうしたら、ランチ難民への救済というか、ランチ難民の方への食事も提供できる。だから、この市役所の場でできる、ユニバーサルカフェらしい形のご提案をしつつも、我々のやぐらもんとしてのモットーである、「アット・ザ・タイム(At the time)」とことわざであるんですけど、その時、それからその場で必要とされるサービスを提供していく。だから市役所という場所、今の時点であれば、ランチタイムに困っている方が多いので、そういった方たちにも楽しんでいただけるものをきちんと提供していこうかなというふうに思っています。そこはちょっとやぐらもんの元々の社会事業というコンセプトがあってのことになります。
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なるほど、わかりました。
次に、nakuiro-hairoさんで出されているメニューのこだわりも教えていただきたいです。
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ユニバーサル都市・福岡なので、 福岡市に関わりのあるものでご提供したいと思っています。現在は福岡市で採れる新鮮な野菜を使って、提供しています。今後、飲食、食産事業を大黒柱にして、そのクリエイティブ事業部というところで地域活性化事業を第2の柱として推進していきます。これまでも、ヤグラモングループのモットーである『笑顔』をサービスの指標にやってきましたが、今後特に『セルズビー(CEL’s B)』といって、C(Customer :顧客)、E(Employee:従業員)、L(Local :地域)、そしてS(Smile:笑顔)、B(Business:事業)の頭文字を取った私の造語ですけど、要は地域の方に満足じゃなく、顧客、従業員、地域のみなさまの笑顔を作り出す企業として、その考えを最大限に表現できるものを提供したいと考えています。
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今後、更に福岡市のものを取り入れたメニュー作りをされるということですか?
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10月からフード事業部の部長として、私の2つ年下の地元の幼馴染なんですけど、自分で舞鶴、今泉でイタリアンのレストランをずっと経営してきたシェフに来てもらって、彼が手掛ける料理をここでランチプレートにします。とりあえずオープンしてまだ半年くらいで、夏だったので昼はそうめん、あとピタパンサンドという形でやってましたけど、これからは本格的にそういったお食事も限られた厨房で作っていく予定です。nakuiro-hairoの厨房はダクトがないので揚げ物でしたり火が使えないんですよ。
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大変ですよね。えー、難しい。
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実は博多の方で我々がお店の事業を継承して、食堂をするという計画が元々あります。そこをセントラルキッチンにしてnakuiro-hairoに持ってこれるようになれば、揚げ物や火を使用したものも持ってこれますし、とりあえず10月からは彼がきて、厨房の中にあるIHの機械でできるようなものを上手に使う予定です。
10月に入って、今のお客さんの動きをちゃんと見て、こういうものが売れてる、こういうお声がある、このスタッフで、この機材で、設備だったらこれぐらいのものができると考えていこうかなと。そこからセントラルキッチンを持つようになったら、そこで作って、nakuiro-hairoに持ってきて、こういうものができる。だから今後は、先ほども言いましたように、「アット・ザ・タイム(At the time)」そこでできる状況になった時に、我々にできるものでこういったものができますよというのは、その都度進化しながら提供していこうかなとは思っていますけどね。
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更に進化し続けられているということですね。
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そうですね。例えば博多駅周辺、それからJCAさんがある祇園の冷泉町近辺の会社さんも、お仕事で福岡市役所に来ることは結構あると思うんですよね。そういった方たちやTaberiiを利用するお客さんが福岡市役所に来て、カフェを利用していただくときに、パンしかないの、そうめんしかないのってならないように、そこに向けても考えてます。
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なるほど。ありがたいですね。
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だから、Taberiiのお客さんも天神1丁目のランチ難民と合わせてちゃんと考えています。
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ありがとうございます!楽しみにしております。
イチオシの一品は何ですか?
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私としてはやっぱり福岡の新手土産としてクロッフルを推していきたいです。クロッフルのギフトボックスで、5個、3個入りとかあるので、例えば、皆さんがここに来て、じゃあ5個入り3つください、10個くださいって周りの方に配ってもらうとか、福岡市の手土産の新定番になればな、みたいな。だからクロッフルですね。元々クロッフルカフェで始めているので。
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飲み物でのイチオシはありますか?
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飲み物はトマトニックです。これは私が作った飲み物ですけど。韓国、カンナム生まれのトマトニックです。日本でいう六本木ヒルズみたいな感じのお金持ちが集まる街があって、韓国のソウルの中でもお金持ちが住んでいるところが、カンナムというんです。
カンナムにパークハイアットというホテルがあって、そこで正月を過ごしたときに、韓国のセレブたちがホテルに家族で泊まって楽しんでいらっしゃって、そこのラウンジで、トマトジュースを飲んでいると、韓国のトマトジュースって甘いんですよ。それで、炭酸が飲みたいと思って、トニックウォーターを持ってきてバーっと混ぜて飲んでみたら、これ美味しいやんってなって、私がいろいろしていたのを見ていた韓国の方がそれ何?日本で流行ってるの?みたいな感じで。いやいや、今作ったけど美味しいよって言って、飲んでみると美味しいって、子供たちとか周りに呼んで、それでバーっとみんなで作って、バーっと飲んで。ってやったのがきっかけで、韓国で大好評だったんですよ。
もう12、3年前の話なんですけど、それをnakuiro-hairoで出しているクロッフルが韓国スイーツなんで、ちょうどいいやと思って。カンナム生まれのトマトニック。日本のトマトジュースは塩分が入っているので、最初に無塩のトマトジュースとトニックウォーターを混ぜたんですけど、それでも韓国で作ったのにならないんで、甘いシロップを入れて、“スイートトマトトニック”としてnakuiro-hairoでは出してます。
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分かりました。是非飲ませていただきます!
最後に私たちTaberiiについて最初に聞いた時、率直にどのように思われましたか?
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今、優秀な人材を集めるのって大変じゃないですか。離職率も高くて、なかなかそのまま長期定職というか、定住じゃないけど、ずっと会社に勤めてもらえるというのが難しい中で、そのTaberiiを導入する企業にとっても、人材確保、離職率の減少という会社が抱える1番大きな問題、労務的に抱えている大きな課題を解決する良いサービスだなと率直に思いました。
そこがそういったものを求める会社、特にJCAがある近くは社員食堂もない、オフィスビルの中に30人、40人規模の支店がたくさんある地域なので、呉服町から博多駅までのオフィス街の中規模のオフィスに勤める方達で、良い人材をそのまま確保しておきたいということであれば、このサービスが定着することになる。会社にとっても良いし、従業員にとっても良いし、飲食店にとっても良い。だから、良いサービスだなと思ったんですよ。それは、私がそういう立場にいるから、そういうふうに感じたかもしれません。単純に飲食店だけやっているところはそうは思わないかもしれません。
例えば、昼、うちはもうわんさかわんさかお客さんが沸いて忙しいから、いや、そんな新しいサービスで新しいお客さんはいらないよっていうところもあるし、かといって、じゃあどこもそうかというと、人気が無いところは人気が無いで、結構祇園周辺でも飲食店の出入りって多いんですよ。新しい店ができたけど、また半年後に潰れたとか。そういったお店も含めて、飲食店の救済にもなるし、何よりも従業員の方たちと会社にとって良いことじゃないかなと。
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ありがとうございます。内容の充実したインタビューをさせていただきました!
これでインタビューは以上とさせていただきます。
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ありがとうございました。